双眼鏡の種類
双眼鏡の特徴として立体的に見えることが挙げられます。 人の目の場合一般に確実に遠近を判別出来る距離は650mくらいとされているようでこれを肉眼の立体視の半径と言います。
星なんか立体的に見えるのかと思われがちですが明るい星雲とか案外立体的に見えて面白いです。
双眼鏡は種類というより用途別の要求から多種多様な製品が有ります。
基本的には口径と倍率、視界の広さ、防水の有無、筐体の大きさと重量が選定のポイントになると思います。
1.口径と倍率
口径が大きければ明るい像が得られ、夜間監視の用途では最低でも50mmは欲しいところです。
倍率は高ければ良いというものでは無く、高倍率は視野が狭くなり監視用途では不向きです。
手で支えている場合 手振れで見にくいと思う倍率はだいたい20倍を超えると顕著です。
2.視界の広さ
視界は広ければ広いほど優位ですが、反面光学的に歪の増大が伴います。
歪は対象との距離が近いほど増大しますので、地上用途では
対象が天体望遠鏡の星や星雲に比べ遥かに近い距離となるので歪は顕著に現れます。
3.防水の有無
天体観測専用でしたら特に防水性は無視出来ますが、一般に双眼鏡は海上や雨天での使用も有るので
用途によって防水性が必須となる場合が有ります。
防水の有無でフォーカス構造の違いや筐体の増大が有るので選定の時 注意が必要です。
4.筐体の大きさと重量
口径が大きくなれば当然筐体寸法や重量が大きくなります。
口径が7cmを超える機種はとても首にかけていられません。
手で支えるのも10分連続が限界ですから長時間観測したいのであれば
三脚に固定できる構造が考慮されているかが選定のポイントになります。
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双眼鏡のスペック
口径
性能を評価するうえでスペック項目を得げてみました
1)口径は?
2)見かけ視野は?
3)倍率は?
4)覗きやすさ?
5)色収差は?
6)周辺部の歪みは?
7)プリズムのケラレは?
8)光軸は?
9)ピント構造は?
結局のところ双眼鏡は望遠鏡の一種なので考え方は望遠鏡と同じです。
口径が大きければ分解能も増しますから拡大することも可能になります。
天体望遠鏡との違いはプリズムを介して正立像を得ているという点です。
鏡筒?が2本組となるため口径を大きくすると天体望遠鏡に比べ操作性が著しく悪くなります
双眼鏡は鏡筒に対して常に同じ位置でないと見られないので赤道儀に載せられないし経緯台でも軸がオフセットしていないと天頂付近が見えない(見口が45°に成っている機種も有ります。)
また鏡筒の光軸と眼間を合わせこむ複雑な光路構造が必要となるため口径が10cmを超えると
価格が跳ね上がります。
見掛け視野
見掛け視野が広い双眼鏡は像が甘いとよく言われ ありえない値段で広角をうたう機材はちょっと心配です。
広角というと65度以上の物を指すようです。
確かに60度を超える機材は覗いていて飽きが来ません とても開放感が有って気持ちいいです。
第二次世界大戦中には敵の状況をいち早く察知したい軍の要求で光学研究がなされ 中には80度を超えるものもあり、ドイツ軍で見掛け視野が120度の双眼鏡が有ったと言われています。 是非覗いてみたいものです。
それに比べ現在使っている双眼鏡は実視野6.2度で見掛け視野43度くらいなので少々狭い感じが否めません
その分歪み補正に無理なく 色収差も程よく良い機器ですが 夜間より昼間での使用に向いています。
随分前ですが、某カメラ屋さんでカートン光学の50x7視野7度の双眼鏡(アドラブリック双眼鏡)を見せてもらった事があります、1度の違いがこんなに開放感を与えるのかと驚きました また非常に軽量で是非欲しいと思いました..当時5万円ほどだったと記憶しています。
残念ながら製造メーカー(宮内光学の廃業により)の都合で現在は販売していないようです。
(2012年に有限会社 オプトミヤウチ様 復活したようです。)
秋葉原のヨドバシカメラ(Akiba)で双眼鏡が沢山展示してあるコーナーが有ります。
小型の機種を手にとって見ることが出来るので訪問しました。
実はVixenのアスコット SW10X50を覗いてみたかった カタログスペックで実視界8.5°もあるからです。
確かに視界は広くて面白いですが作りが少々おもちゃっぽいのとフォーカスの山がつかみにくく周辺も多少流れ気味でした 軽量なので夜の観測で試してみたいです。
値段を考えればコストパフォーマンスの高い機種と言えると思います。
天文ガイドの広告ページを見ていてケンコー・トキナーから7X32 SG SWA WOPと言う機器を発見しました。
ネットに情報無いかと探してみるとAmazonのサイトでインプレがあり”色がぼやけ見える”とありました。
色収差が出たのでしょうか?...一度見てみたい機種です。
倍率
天体観測専用なら低倍率で広角が良いのですが地上用と併用する場合は低倍率では物足りない気がします。
新聞広告で100倍を誇らしげにうたう広告が有りましたが、きっちり固定でもして見ていないと
手ブレで揺れすぎて見えないと思いました 使ったこと無いので分かりませんが酔いそうです。
倍率上げると気流のゆらぎも目立ってくるのでよっぽど安定した時でないとよく見えないかもしれません。
極端に明るい月ならクレーターの観測に良いかもしれないです。フォーカスが甘そうですが...
天体用途では敬遠されがちですが、ズーム式も悪くは無いと思います。
ちなみにズームレンズに対して焦点距離が単一の物を単レンズと呼び、光学系の本では何群構成のレンズに対して一枚レンズを単レンズと呼び混同します。
つまりカメラのレンズで単レンズとは単にズームでは無い事を言っています。
ズーム式は構造的に複雑な上に像が甘くなりがちですが、目視用途と割りきって考えれば良い選択かもしれないです。低倍率の時視野が狭いなどのウイークポイントを踏まえておく必要が有ります。
アイポイント
アイピースから裸眼までの距離をアイポイントとかアイリリーフとかいいます。
双眼鏡を三脚に固定して観測するのならアイポイントがある程度遠い方が覗きやすいですが
小型の場合固定しないで、ほとんど目にあてがって使う場合遠すぎると使い難いかもしれません。
昼間使う場合 横から光が入り込むと見にくいので横からの光を遮断するアイキャップが必要です。
メガネをかけている場合アイキャップ越しに見る事になりアイポイントが合いません
アイキャップが収納式だったり外したり折り曲げ出来る構造になっている物が有ります。
色収差
白いものを見ると縁に青や緑のロハ(影)が出ます、これが色収差で明るいほどはっきり出ます。
極端に酷いものは反対側に赤いロハも出ます。 ある程度は仕方ないのですが見比べて強く出るものは
避けたほうが無難でしょう。
収差、歪
歪とは写像が樽状や糸巻き状に歪んだりピントが綺麗に合わない現象で広角の物ほど近くの物を見ると発生します。
収差とは実際には点であるはずの写像に放射状に尻尾のようなフレアが発生する現象です。
これもある程度しかたない物ですが視野角の狭い機種はこれが小さいのでどちらを採るかになろうかと思います。
プリズムのケラレ
双眼鏡を明るい所でかざして見ると接眼部に瞳径が見えます。プリズムを使用している双眼鏡は
更にこれをよく見ると周辺にグレーの影が見えます 赤い光が屈折しきれずかけてしまう現象です。
(BaK4やSK14ガラスのプリズムを使用している機種はこの現象が出ません)
実際には瞳径の周辺なのでさほど影響有りません。
光軸
初めて覗いた時などは普通 左右の像が一致しません。
左右の場合、単に目の間の距離(瞳孔間距離)(PD)とアイピース間の距離が合ってないので幅を調整すれば像は一致する筈です 双眼鏡によっては調整範囲が狭いものや鼻と干渉して見にくい場合があるので顔に合う機種選択も重要です。
しかし像のズレが上下にある場合致命的です。
強いショックを与えたなど光軸がズレた場合メーカーでも修理出来ない事が有るので、しっかりした収納ケースの機材を選びたいです。
先日 一部分プラスチックの双眼鏡(小型)を車内で保管していたらボディ部分の合わせがゆがんで隙間が出来てしまいましたぁ 夏の車内恐るべしです。
ピント調整構造
ピント調整構造は大きく分けて2種類有ります。
1)アイピース単独で2箇所にあるもの(IF方式)
2)センターフォーカス式で中央に1箇所と左右どちらか片方のアイピースに微調整があるもの
アイピース単独のものはフォーカスを調整する毎に両方の調整が必要なので遠くを見たり近くを見たりする場合
不便に感じます。 天体用途では無限に合わせておけば一定なので問題有りません、またこの機種は多くが防水型であることも特徴です。
センターフォーカス式は鏡筒と鏡筒の間にフォーカス機構を持ったもので比較的この方が一般的です。
高級な双眼鏡は対物レンズとアイピースの間にフォーカス用のレンズがあり内部で移動しますので
外から見ても外観が変化しない構造の物もあります。
特に地上観測でも使用する場合はフォーカスがスムーズに調整できるかもポイントです。
フォーカスノブが硬かったり柔らかすぎると使いにくいものです。